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 人材育成歴30年の田中淳子さんが、人生の先輩たちから頂いた言葉の数々。時に励まし、時に慰め、時に彼女を勇気付けてきた言葉をエンジニアの皆さんにもお裾分けしたい、と始まった本連載。前回は、淳子さんの職業選択に大きな影響を与えてくれた先輩の言葉を紹介した。今回は少し趣を変えて、淳子さんが最近考えている「キャリアの描き方」を紹介する。

●「いのち」の使い方、ふたたび

 以前、このコラムで「いのちとは時間」という話を紹介した。聖路加国際病院名誉院長 日野原重明先生がおっしゃっていた、「心臓は単なるポンプであって、いのちではありません。いのちは、一人一人に与えられた『時間』のことです。だから、あなたの大切な『いのち』=『時間』を、自分のためだけではなく、誰かのためにも使ってください」という話だ。

 いのちを無駄しないということは、与えられた時間を有効に使うということでもある。そう考えると身が引き締まる。自分の人生は、自分に与えられた時間。その時間をどうやって自分のために、そして他者のために使うか。どうやって「いのち」を価値あるものにするか。

 50代になったのをきっかけに「人生」について深く考えてみたいと思うようになり、「キャリア」をテーマにした講座に通うことにした。その初回の授業で、ある大学の先生がこうおっしゃった。正確な再現ではないが、書き出してみよう。

 キャリアを「仕事」と捉える人もいますが、現代のキャリア観では、キャリアは「人が生きている期間全体」を指します。 キャリアを時間軸で捉えると、過去には戻れないし、過去は変えられない。けれども「これから」はまだ決まっていません。私たちは、これからの人生にまだ「何も描き込んではいない」のです。 未来は「今ここから」始まります。これから先の未来に向かって、いくらでもデザインしていけるのです。

 日野原先生が言うように、いのちが「時間」であるとすれば、20代と50代では持っている「時間」は異なる。長さは違うけれど、「ここから先」に「まだ何も描き込んでいない」ことには変わりはない。

 そこに何をどのように描いていくのかを考えるのは、外ならぬ自分である。誰かが私のために描いてくれるものではない。自分で描いていかなければならないものなのだ。

 では、「今とこれから」を考えるためにはどうしたらよいのだろう。

●偶然を自ら作り出す生き方

 私は「とにかく動いてみること」だろうと思っている。上記の先生がおっしゃった通り、人生のこれから先には「まだ何も描かれていない」。何を描けるかは分からないけれど、ただその場に立ち止まっていたら、何も起こらないのではないか。

 動いたからといって何かが起こるとは限らないけれど、少なくとも行動した分だけ何かを経験はできるはずだ。

 私は、クランボルツ氏の「計画された偶発性理論」が好きだ。ごくごく簡単に言うと「キャリアの80%は偶然に左右されている。しかし、その偶然を引き起こしているのは自分の行動である」といった理論だ。

 運命は偶然に左右はされるけれど、その偶然は、自分がしたこと、自分が動いたことから引き起こされる、というのである。

 母の友人にパッチワーク作家がいる。彼女は、若いころ何か仕事をしようと思い、洋裁教室の講師募集に応募した。一歩出遅れて洋裁の講師は決まった後だったが、「パッチワーク教室の講師が見つかっていない。あなた、できます?」と尋ねられ、「はい! できます!」と即答したという。

 その時点でパッチワークの経験はなかったのだが、その日、すぐに書店に行き、パッチワークの本を何冊か買い、自己流で練習し、パッチワーク教室の開講日に間に合わせたそうだ。洋裁の心得があったとはいえ、最初は付け焼き刃だった。だが、それから数十年を経て、彼女は今では有名な作家の一人になった。

 まさに「計画された偶発性理論」を地で行く例だ。

●たかが一歩、されど一歩

 先日、ある勉強会で出会った臨床心理士のキャリアも興味深かった。

 「20年近く出版社で雑誌編集者をしていたのですが、40歳を過ぎた時、『あれ? 会社は私に何もしてくれないぞ』とふと思って、資格を持ってできる仕事に変わろうと決意したんです。それでスパッと会社を辞めて社会人大学院に入り、心理学系の勉強をして臨床心理士の資格を取りました。以来、クリニックで臨床心理士として仕事をしています」

 彼女も自分の「今とこれから」を考え、行動している。臨床心理士になったのは、心理学系の大学院に入ったからだそうだ。決して早くはないスタートだが、きっかけとなったのは、大学院に入るために自ら動いたことだ。

 身近な人の話を聞くと、大抵の人のキャリアは偶然に左右されている。しかし、その偶然を引き起こすための行動や選択は自分が行っている。

 これから先、まだ、何も描かれていない人生に何を描き、どう色付けていくのか。自分で考える必要があるし、自分で自由に考えられる時代でもある。

 良い偶然を引き起こすために、誰かに会ったり、何かをしたりしてみる。「チャンスの神様は前髪しか持っていない」とも言う。これだというチャンスが巡ってきたら、すかさずその前髪をつかむのだ。

 格別に大げさなことを考える必要はなく、ほんの小さな一歩でも足を前に踏み出すことが大事なんだと思う。これは、50代でも20代でもきっと同じだ。

 今回は自分に言い聞かせるように、コラムを書いてみた。

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茨城「正論」友の会で佐藤正久参院議員が講演「憲法改正を」



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 茨城県から日本のあるべき姿を考える「茨城『正論』友の会」の第7回講演会が23日、水戸市大町の県信用組合本店で開かれた。「守るべき人がいる~どうする日本の安全保障」と題して、自民党の国防部会長を務める佐藤正久参院議員が講演し、安全保障法制の整備の必要性や国防の意義などについて解説した。

                   ◇

 講演会には、県選出の国会議員や県議、産経新聞の正論路線に賛同する読者ら約110人が参加した。

 講演に先立ち、茨城「正論」友の会会長の幡谷祐一県信用組合会長が「日本の国防に関して難しい問題が起きつつある今、佐藤氏の講演が聞けるのは大変いいことだ」とあいさつ。

 続いて、産経新聞社正論調査室の工藤均室長が「佐藤氏のような国防の現場を知っている方々に国政の場で活躍してもらいたい」と述べた。

 講演で佐藤氏は「日本を取り巻く安全保障環境は厳しくなっている。この変化を国民はどれだけ真剣に考えているか」と警鐘を鳴らした。その上で「自衛権をきちんと発動するためには憲法改正が必要だ」と強調した。

 また、自衛隊について「厳しい現実の中で働いているのは、守りたいものがあるからだ。自衛隊が戦争をしなくてよい状況を、外交でつくるのが政治だ」と語った。

 講演後の質疑では、中国の海洋進出に対処するための島嶼(とうしょ)防衛などに関する質問が出た。笠間市の砂押利男さん(84)は「具体例を挙げて、現実味のある話をしてくれた。分かりやすかった」と話していた。

 茨城「正論」友の会では今後も講演会などを開催。会員を募集している。問い合わせは、茨城「正論」友の会事務局(産経新聞社水戸支局内)(電)029・221・7158。

                   ◇

【講演要旨】

 ◆自衛のための武力

 自衛のための武力は、必要最低限ならば認められるべきだ。日本は自衛権が憲法によって制限されており、「自国民を守るため」という自分勝手な目的でしか使えない。本当に日米関係のことを考え、自衛権を適切に発動するためには、然るべき議論の後、憲法を改正する必要がある。

 ◆日本国民を守る

 安全保障法制を整えることで、すぐにリスクが生じるわけではない。(安保法制を整備すれば)朝鮮半島で有事があっても対応できるし、米国と連携を深めて抑止力を高め、結果的に日本国民を守ることになる。

 ◆動きやすい法整備

 外交で自衛隊が戦争をしなくてよい国際環境をつくり、いざというときに動きやすい法整備をし、予算を組むのが政治だ。自衛隊は与えられた(環境の)中で、自分の安全を考えながらも任務を全うしてほしい。



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